認知症ケアの現場で介護職が連携を図るコツ
介護職の連携を強化して認知症ケアに役立てよう
報告・連絡・相談を徹底する
認知症ケアに携われる職場として、まず思い浮かぶのがグループホームです。介護職がグループホームで活躍する場合、勤務は2交代制もしくは3交代制になるケースがほとんど。交代の際には、ミーティングの時間を設け、きちんと申し送りを行うことで切れ目のない認知症ケアを実践していくことが肝心です。日誌や連絡ノートがある場合、申し送りの時間までに記載を済ませておくのがポイント。業務の進捗具合や入居者さまの様子など、できるだけ詳細に書き記しておくことで申し送りがスムーズに進み、連携も取りやすくなるでしょう。また、丁寧な申し送りは事故を防止するうえでも役立ちます。なにかトラブルがあった場合は特に、情報共有を密に行うことが大切です。報告・連絡・相談を徹底することで、介護職仲間に対する信頼感も増すでしょう。
共通目標や共通認識を持つ
職員が同じ目標や共通認識を持っている組織は、連携力が高い傾向にあります。認知症ケアにおいては、入居者さまの目標がそのまま介護職の目標になりやすいです。「日中の活動量を増やす」「周囲の人と協力し合いながら食事の準備を行う」など、入居者さま一人ひとりの介護目標を介護職全体で把握し、目標に応じたケアを実践することが大切といえます。また、入居者さまの特徴や症状、接し方についても職員間で共有できると良いでしょう。なお、自分たちで共通目標を立てる際は、長期目標と短期目標の2つを立てるのがおすすめです。
風通しの良い職場環境を目指す
介護職同志の連携を深めるうえで鍵となるのが、職場の雰囲気。介護職が笑顔で活躍している職場や、相談しやすい風土が根付いている職場は風通しが良く、職員間の連携も図りやすい傾向にあります。また、助け合いの精神に溢れている職場も、高い連携力を発揮することが多いです。職場の風通しを良くするためにできることはたくさんあります。たとえば、毎日の挨拶も意識してみるのも一つの方法です。元気に「おはようございます」「おつかれさまです」というだけでも、職場の雰囲気は明るくなります。悩んでいそうな人がいたら、さりげなく声をかけてみるのもおすすめです。風通しの良い職場を作るうえでは、職員同志の距離感も意識したいところ。距離が近くなりすぎてプライベートにも口出ししてしまう、心を開きすぎて人の陰口を言い合ってしまう、といった関係性は避けましょう。距離感を見誤ると連携をとるのが難しくなってしまうため、日頃から節度ある行動を心掛けることが大切です。