まずは症状を把握する

認知症の人と接するときに心がけたいことは?


【中核症状】

【中核症状】

認知症ケアで大事なことは症状についてよく理解する、ということです。脳の機能が失われたことによって直接起こる【中核症状】には、もの忘れがひどくなる「記憶障害」や日時や季節、道順や場所が分からなくなる「見当識障害」、新しいことや普段と違うことが理解できない「理解・判断力の障害」、計画や準備ができなくなる、料理や運転にミスが増える「実行機能障害」などがあります。
認知症と診断された人の多くはこれらの症状がひとつ以上、当てはまっています。認知症の人をケアするときは「できないことは何か」を正しく理解することから始めましょう。

【周辺症状】

中核症状に本人の性格やこれまでの生活の様子、周辺の環境や身体状況などの要因が加わったことで起こる、行動・心理症状のことを【周辺症状】といいます。ただし、この症状は認知症と診断を受けた人すべてに現れるわけではありません。症状も、うつ状態や不安、幻覚や妄想、徘徊や暴言・暴力行為など人によって違います。
周辺症状は本人だけではなく、周囲にも困惑を招きます。周辺症状が現れたときは症状自体に気を取られてしまい、「徘徊しないように家に鍵をかける」「妄想を適当にごまかす」など行動や言動を抑えるように対処してしまいます。危険が伴う場合は行動を抑え込むように対応するのは当然のことですが、周辺症状を起こす原因を解消しなければ症状は改善しません。何度も同じような症状が出続けてしまうため、症状が出ないように環境を整えることが大切です。

本人の状態を理解する

まずはどの程度症状がすすんでいるのかを確認しましょう。「会話はどの程度できているか」「内容を理解できているか」「周囲に思いを伝えることができているか」などから本人の理解力をチェックします。もし言葉が減っているようであれば長い文章は避け、身振りや手振りを増やすなど工夫しましょう。
また、生活していく上でできることが何かを知ることも大切なことです。「掃除機は使えないがほうきは使える」などのように、さまざまな視点から本人の能力を見て、過剰に手を出さないように注意しましょう。

認知症の人との関わり方

認知症の人と関わるときは「驚かさない」「急がせない」「言動を否定しない」「責めない」「自尊心を傷つけない」の5つの項目に留意しなければなりません。不用意にこれらの行動をとってしまうと、本人に不安や恐れ、焦りや怒りをもたらします。無理強いせずに時間をかけて対応するようにしましょう。もし拒否されたら間をあけて様子を見てから、もう一度初めから何事もなかったように声をかけるといいでしょう。

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認知症ケアに関する主な資格

適切な認知症ケアを実践するには、正しい知識と専門的なスキルが必要です。知識やスキルを身につけるには資格を取得するのが有効です。ここでは認知症に関する資格をいくつか紹介するので、興味がある人はぜひチャレンジしてみましょう。

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